第1回中間発表のようなことを書いてみる
アメリカのドラマのように、たまたま入ったコーヒーショップで出会ったひとと恋に落ちるような展開は、どうやら私の人生にはないみたいだぞ、と気付いたのは案外最近だ。バス停で意気投合したひとと連絡先を交換したり、同じ居酒屋にいたひととタクシーを相乗りして以来仲良くなったりと、中途半端にドラマティックな出会いを経験していたせいで気付くのが遅れた。
確かに確かに、そこそこ私の人生はドラマティックだったかもしれない。イギリス人から「結婚を考えて付き合おう」とLINEで言われてすぐに既読無視される、とか。だが、たまたま入ったコーヒーショップで婚約者ができたことはないし、きっとこれからもそうだろう。
未来の結婚相手である誰かと、職場や街角でバッタリ出会う可能性をゼロと考えられるようになると、婚活が楽だ。こんど行くパーティーのことや、街コンで連絡先を交換した誰かのことだけを考えればいいのだから。
私は無期限で頑張ることが苦手なタイプだけれど、婚活の最終目標というか、日々のテーマは「後の人生で悔いが残らないくらい真面目に取り組むこと」としている。ゴールを「結婚すること」としていたら、もしかするともっと苦しかったかもしれない。
今のところ、案外楽しく婚活している。
思っていたより色々なひとと、色々な話ができた。沖縄や九州から来たひと、聞いたことのない仕事をしているひと、ハーレーを乗り回すオタク、午前中ちょっと波に乗ってからやって来たパリピに、有名人のそっくりさんもいた。興味深い女性との出会いにも恵まれた。彼女とLINEアドレスの交換ができたとき、嬉しくてちょっと舞い上がってしまったのは、今思うと少し恥ずかしいけれど。
出会った場所がたまたま入ったタリーズだったら、挨拶さえしなかっただろう人々だ。もう何人の見知らぬ人と話をすることができたのだろう。
私の婚活はまだまだ続く見込みだし、すぐに終わるということはないかもしれない。だが、東京オリンピックが始まるまでには終わる。最初にそう決めた。
それまで今の気持ちをなくさずに婚活を続けられたらいいな、と思ってブログを書いた。
キャッツとの初デートはとても楽しかったし、好きかどうかはともかく、私は「また話したい」と思った。刹那的な雑談が面白くて、鮮やかな印象が残るような会話を挟めなかったことだけはとても気がかりなのだけれど。特別な日のためのレミーマルタンみたいに思われたいのに、彼の中で「とりあえず安いし飲みやすいからまた同じのでいいかな」とリピートされるトップバリュの発泡酒みたいなポジションにまわされたんじゃないだろうか。うーん挽回したいな。印象を操作するのって難しい。
今回は「顔の横で揺れるピアスやイヤリングが良い」という伝説を全力で肯定し、普段あまりしないアップスタイルに挑戦した。イヤリング以外の情報が邪魔をしないように、アイメイクは控えめにしたし、上半身は無地の服を選んで、ネックレスも付けなかった。
こういうちょっとした戦略について考えを巡らせることも楽しいのだと思う。髪型について触れられたとき、べつに何の成果でもないのだが、謎の手応えを感じて、何かがひとつうまくいったような気分になった。我ながら思い込みが激しい。
キャッツに会うことと並行して街コンに参加するかどうかはまだ決めていない。並行しても構わないとは思うし、私は集中すると周りが見えなくなるタイプだから、ネコまっしぐらにならないためには参加したほうが良いように思う。
それについても考えよう。じっくりじっくり考えようと思う。